トンネルの出口
娘が不登校の状態で、毎日毎日悶々と過ごしていた頃、学校の先生やスクールカウンセラーの方などたくさんの方に
「この状態が一生続くわけではないですから」
と、何度も言われました。
そのたびに
「そんな簡単に言いますけど、じゃあいつこの状態からぬけだせるんですか?」
「『トンネルの出口』まであとどのくらいかかるんですか?」
と、いつも心の中で思っていました。
去年の春、高校に入学してからあと少しで一年が経つという今、やっと『出口』が見えてきたと思っています。
では、いつぐらいから出口が見え始めたのでしょうか?
実は、そう思えるようになったのはつい最近のことです。
というよりも、これまで二度も出口と見間違えて落ち込んだことから、
「いやいや、まだまだ出口なわけがない。」
と自分に言い聞かせるようになっていたのです。
最初の見間違えは、中学に入学するときでした。
娘は、入学式に参加し教室にも入り、そのあと友達と卒業した小学校に制服姿を見せに行ったので、
「やっぱり中学生になったんだから、気持ちも切り替えて登校できるようになるんだな。」
と思ったのです。
ですが、翌日からぱったりと行かなくなりました。
後に娘に、なぜあそこまでできたのに、翌日から全く行かなくなったのかたずねると、
「やっぱり無理だな」
みたいなことを思ったそうです。
そして、行けない日が続くと、
「もうみんな友達になってグループとかもできてるから、今さら行ったって入れない。」
と思い、ますます足が遠のいたようです。
その次の見間違えは、娘が中3になった初日からほぼ毎日登校できるようになったころです。
(再登校のきっかけは・・・ - 今だから言いたい‼ 不登校のこと)
「 受験もあるし、きっとこのまま行ってくれるんじゃないかな。」
「やっと、この長いトンネルから抜け出せるかも。」
そんな感じで思っていました。
でも、いきなりそんなことが続くわけはありません。
2学期に入ると体調不良で登校できない日が増え、精神的にもかなり不安定になりました。
「そうだよね、そんなにうまくいくわけないよね。私が気を抜いたのもいけなかったのかも。」
トンネルの出口が見えてきたと勘違いしていただけに、落ち込みました。
このような経験から、それが出口だと確信することが怖くなってしまったのです。
高校に入学し、あと少しで一年が経ちます。
『トンネルの出口』
からの光は確かに見えています。
「もう少し、もう少し。 」
出口を目指し進む娘に、心の中でエールを送るのです。