中学校の卒業式は小学校の時と同じで、本来の卒業式のあとに、別室で行なっていただいた式に出席しました。
ですが、大きく違ったのは
『1人ではなかった』
という点です。
別室での卒業式に出席していた生徒は全部で8人ほどいました。
先生方は三学年の担任の先生方全員と、校長先生、教頭先生など、15人ほどいらっしゃいました。
保護者も含めると、教室いっぱいになるほどの人数でした。
卒業証書授与のとき、名前を呼ばれた娘は大きな声で返事をし、校長先生の前に進み、証書を受け取ったあと、きちんとお辞儀をしていました。
3年前の、校長室での一人きりの卒業式のときと比べると、娘の成長を感じずにはいられませんでした。
人の視線が気になり、外に出ることができず、自宅で悶々と過ごした日々。
3年生になり登校することを前提として頑張った日々。
受験を目前にし塾に通い始め、勉強を頑張ったけど、なかなか合格をもらえない厳しい現実にぶつかり、不安で眠れなかった日々。
本当によく頑張った!
成長した!
式が終わり、担任の先生やお世話になった保健室の先生と一緒に写真を撮り、笑顔で話をしている娘の顔を見ながら、そんなことを考えていました。
その時はまだ、最後に受けた高校の合格発表の前だったので、進学先が決まっておらず、正直、娘も私も気持ちは穏やかではありませんでした。
それでも、この日のこの時間は、娘の成長と、娘の笑顔を見ることができる幸せを感じていたのです。
ところが、帰宅した娘が急にプリプリして、
「もう◯◯先生むかつくー!」
というのです。
聞くと、別室を担当していらっしゃった先生から、こう声をかけられたと言うのです。
「あなたもやっと高校に入ってレールに乗ることができるんだから、がんばらなきゃいけないよ。そして、勉強して大学に行くんだよ。」
レールに乗る?
大学に行く?
その先生からすると、
当たり前に学校に行き、勉強し、大学まで進学して就職する
それがレールであり、そのレールに乗ることが一番よいこと、なのでしょう。
ですがそれは、その先生の個人的価値観にすぎません。
確かに、それが一番よいと考えている人が多いかもしれません。実際、私も、親が勧めるそのレールに乗って就職しました。
大卒のほうが就職しやすかったり、最初の給料がよかったりするのも事実です。
でも、周りを見回してみてください。
幸せそうな人は大卒の人でしょうか?
そうとは限りません。
幸せそうな人は、
人のために働いている(動いている)人
そして
大切に思う人がいる人
だと私は思います。
そこには学歴は関係ないのです。
娘には、人のために働ける人になって欲しい。そして、大切に思う人を見つけて欲しい。
大多数の人が乗るレールでなくていいのです。
娘らしい人生を送って欲しいと思います。