「死にたい」という娘に
「死にたい」
という娘に、なんと声をかければよいのか・・・。
「生きたくても生きられない人がいるんだから、そんなこと言わないの!」
と言いたくなりますが、そこはぐっとこらえて
「そっかそっか、そんないつらいんだね。」
とそばに行き、ただただ娘の言葉を待ちます。
すると娘は、何も楽しみがない、やる気が起きない、生きてる意味がない、人生やり直したい、もう嫌だ・・・
などと言い放ちます。
そしたら、
「そっかー。ただね、まだまだ数年しか生きてないでしょ。楽しいことがあるのはこれからだよ。好きな場所に行ったり、好きなことを自由にできるのはこれからだよ。」
と伝えます。
すると
「そんなのできるかどうかわからないじゃん。」
という娘ですが、そのころには少し落ち着いています。
夏休みが明けてちょうど一ヶ月。
『九月病』といわれるものがあるように、長い休み明けは子供達にとってとても力がいる時期かもしれません。
自ら命を絶つ児童生徒が一番多いのもこの時期です。
娘も、この一ヶ月はとても不安定で、微熱が続いたり、一日に何度もお腹を壊したりと体調不良が続きました。
そして
「死にたい」
と口にすることもありました。
そんな様子に私も動揺し、通信制高校を調べたりしました。
すると、なぜ今まで気づかなかったのだろうということがわかりました。
娘の高校は単位制なので、今まで取得した単位を活かして通信制高校に編入すれば、留年なく卒業できることがわかったのです。
(今まで気づかなかったなんて情けない!!)
今までは、転校すればまた一年生から入学になると思っていたので、私はなんだかすごい発見をした気分になりました。
そして、夕食を食べながら「明日学校に行きたくないなー」という娘に、その話をしました。
体に不調が現れるほどに思い悩んでいる娘をなんとか救いたい、と思ったのです。
すると娘は意外な反応だったのです。
「でも、せっかく入った高校だから辞めたくないって気持ちもあるんだよね。」
と。
私よりも娘のほうがよくわかってるなー
と感心。
そして
またやってしまったー
と反省。
そうそう、いつも私は娘の表面の様子にすぐに動揺して、どうにかしてあげなきゃと
『逃げ道』
を探すことばかりしてしまうのです。
少し前に反省して、自分で壁を乗り越えなきゃ自尊心は育たないと思ったばかりだったのに。
結局、今のこの状況から逃げてしまったら、この先また同じような壁にぶつかったときも逃げることしかできないでしょう。
そして、そんな自分が嫌になり、自尊心も薄れる。
本当に命を絶つほどの状況にいるのであれば逃げるべきですが、私に「死にたい」と言っているということは、まだ気持ちを吐き出せていると思うのです。
だから、好きなだけ吐き出させて、そしてこの状況を乗り越えられるように応援する。
それしか親はできません。
昨日は「もう死にたい。無理。」と言っていたのに、今朝は頭痛も訴えず「今日は友達と遊んで来るからね~」と登校していく娘の姿に、やっぱり親はどっしり構えて後方支援するしかないと思います。
この映画一緒に観に行かない?と言われたら観に行きます。
元気がないときは、食べることが好きな娘の好物を買ってきたり、作ったり。
(先日は「マカロン15個食べたい!」と言ったので5個買ってきました(笑))
こんなことも今しかできない。
そう思います。
だから、「死にたい」という娘にただ寄り添い、気持ちを吐き出させてあげる。
数年後きっと、娘は希望する道に進み、今の不自由な生活から抜け出し、たくさんの素敵な出会いをし、やりたいことを見つけて生き生きと人生を歩んでいることでしょう。
私はそう信じているのです。