不登校生にとっての【保健室の先生】
学校の【保健室の先生】は不登校生にとって、
とてもとても貴重な存在です。
教室に行けない子が『登校したという事実』のために、なんとか足を運ぶことができる場所のひとつである保健室。
そしてそこには、色々言わず耳を傾け、共感してくれる保健室の先生がいるのです。
娘は小・中と、大変お世話になりました。
小学6年生のときは、学校に行く日は増えましたが教室に行けなくて、いつも保健室で過ごしていました。
そのときの保健室の先生はとにかく明るくて、いつも笑っていらっしゃる印象でした。
そして、明るいだけでなく細やかな心配りもしてくださる方で、出張で保健室にいないときは、事前に娘の担任の先生に伝言をされていて、それを私のスマホに連絡していただいていました。
また、会議で席を外すときは娘が来た時に心配しないようにと手紙を置いておいてくださいました。
とにかく、話を聞くのが上手で、また娘の興味のあることに合わせて会話をされていました。
好きなアイドルやドラマの話を一緒になって楽しそうにされるのです。
そして、たまに保健室の掃除や簡単な作業などを娘に手伝わせてくださって、
「ありがとう!〇〇がいてくれて助かったー!」
と言われるのです。
人の役に立つということは嬉しいですよね。
娘も、そんな日は嬉しそうに手伝ったことを話してくれました。
中学のときは、保健室には二人の先生がいらっしゃいました。
一人はまだ臨時採用の若い先生でした。
正職員の先生は、にこやかにはされているのですが、娘に対して、勉強や行事への参加を何度も促されていたようで、帰宅してはその先生のことが苦手だと話していました。
ですが、臨時採用の先生は逆に
「無理しなくていいよ。できる範囲でいいよ。」
という感じでした。
そして、小学校の時の保健室の先生と同じように、娘の興味のあることに共感してくださって、時間があるときにはアイドルの話で二人で盛り上がっていたようです。
その先生は、娘が中2のときの採用試験に合格することができなかったので(私たちにとっては幸いなことでしたが)、娘は中2から中3にかけてお世話になりました。
特に登校できなかった中2のときは、よく放課後に我が家をたずねてくださり、娘と2人でアイドルのライブの話などをしてくださっていました。
家族以外と話す機会のない娘にとって、とても貴重な時間でした。
また、中3の高校受験のときは、自身の高校受験で失敗した体験を話してくださったようで、
「受験に失敗したことのないママにはわからないよ!」
と、娘は私の言葉には耳を傾けてくれなかったので、助かりました。
後になってわかったことですが、保健室の二人の先生方の対応が両極端だったのは、わざとそうされていたそうです。
一人が色んなことを促したりする刺激を与え、一人は「いいよいいよ」と受け止める。
そうすることで、娘の保健室での居場所も作りつつ、ちょっと背中を押してみる。
中3の最後のほうになると、最初苦手だと言っていた先生に対しての苦手意識も薄れていき、その先生から本を借りて読んだりしていました。
臨時採用の先生は、娘が3年生のときに採用試験に合格されたので、3月には一緒に『卒業』することができました!
卒業後も会いに来ていただいたり、誕生日にはお祝いのメールをいただいたりしています。
娘も、先日、体育祭に参加できたことや近況を報告していました。
この先生から何度かプレゼントをいただいたことがあるのですが、その内容がすばらしくて、娘の興味のあるもの、好きな物にピッタリはまっているのです。
親の私でも選べないくらいのレベルなのです。
これまで、娘のことを
本当に理解しようとしながら接してくださっていた
のだなと、感心しました。
人にプレゼントをすることって難しいと思うのです。
よくよくその人のことを理解していないと選べないので、つい「無難な」ものになりがちですよね。
まだ20代の若い先生ですが、繊細な子の心を理解してあげられる、すばらしい方です。
きっと赴任された中学校でも、たくさんの悩める子供たちと共感してくださる
貴重な存在
に違いありません。