『兄弟差別』
「お姉ちゃんが頭が痛いっていったら頭のマッサージとかしてあげてずこく心配するのに、私が痛いっていっても何にも心配してくれないじゃん!」
以前、娘から言われた言葉です。
その前にも、主人から、長女と次女に対する態度が違うと思うよ、と指摘されたことがありましたが、
「そんなことないでしょ」
と簡単に考えていました。
ところが、次女に言われて初めて、本当にそうなんだなと気づかせてもらったのです。
私は、
『兄弟差別』
をしていたのです。
人間、自分の姿、行動をはたから見ることができないので、人と話しているときの表情や普段の行動はわからないものです。
人から言われて初めて気づくことがあります。
でも、お姉ちゃんと自分への対応の仕方がそれほど違うことに、次女がどれほど傷つき、胸を痛めていたことか、と申し訳ない思いでいっぱいになりました。
無意識に「兄弟差別」をしている人は意外に多いと思います。
自分ではなかなか気づかないものです。
だから、周りの人にたずねてみることをお勧めします。
ただし、親しい人でないと子供達も一緒に会うことってなかなかないですよね。
私は、長女が幼稚園生だったときからのママ友に「私って〇〇と〇〇の扱い方違うかな?差別してると思う?」とたずねたことがあります。
子供達が大きくなってからは、みんなで会うことはなくなりましたが、数年前までは一緒にクリスマスパーティーやバーベキューをしていたので、私の次女への対応も見ていたからです。
そのママ友からは「いいやーそんなことないと思うよ」という回答でした。
十数年来の友達でもわからなかったようなので、ご主人や自分の親などにもたずねてみてはいかがでしょうか。
前に、不登校の子を持つお母さんたちの集まりに参加したときに、上が中学生の女の子、下が小学生の男の子をもつ方がいらっしゃいました。
娘さんのほうが中学に入ってから不登校になり、対応に悩んでいらっしゃいました。
色々話を聞いていてすぐに思ったのが、その方は息子さんのことがすごくかわいいのだな、ということでした。
「私が辛そうにしてるとね、息子がママ大丈夫だよって肩をさすってくれるんですよ。」と嬉しそうに言われます。そして、息子さんはこんなこと頑張ってるとか、あんなことをしてくれたとか話をされました。
そして、娘さんと口論になったときの話もされました。
「娘が(自宅の)ベランダに行って飛び降りそうな仕草をしたけど、どうせ飛び降りないと思ってほおっておいたら、やっぱり飛び降りなくて、主人が声をかけてやっと中に入ってきたんですよ」と。
その話を聞いてとてもとても辛くなりました。
その娘さんは、そこまでしてでもお母さんの愛情を確かめたかったんだと思います。
慌ててベランダに出てきて抱きしめてほしかっただけだと思います。
なのに、「どうせ飛び降りないと思って」ほおっておいたそうです。
たとえ飛び降りないと思ってても、「大切な娘が飛び降りたら大変!」とあわてて止めに行くべきです。
そうしてもらえず、家にも入りづらく、ただベランダにいることしかできなかった娘さんの気持ちを考えると辛くなります。
私の娘も本当は頭は痛くないのかもしれません。でも、大丈夫?と心配してそばに来てほしいのだと思うのです。
でも、人間そう簡単には自分の行動を変えられないものですね。
気をつけるようにはなったのですが、ついつい、頭が痛くても多少の熱があっても学校を休んだりしない長女に対しては「大丈夫?」とそばまで行くのに、いつも痛みを訴えてくる次女に対しては「また痛いの?薬飲む?」という言葉がけだけの対応をしてしまうこともありました。
でもあきらめず、反省して自分を見直し、娘と一緒に日々少しずつでも成長していけたらと思うのです。